お金のない人と結婚すると本当に後悔することになるのか、お金より愛を選んだ結果について徹底解説します。
実際にあった悲惨な体験談や、FP視点による具体的に必要な生活費など、参考になるデータもご紹介します。
これから結婚を控えている人はもちろん、愛とお金どちらが大切なのか知りたい人もチェックしてみてください。
その結婚は本当に愛だけで乗り越えられるのか

「この人とずっと一緒にいたい」
心から愛するパートナーと、これからの人生を共に歩んでいくことを決める「結婚」。それは、人生におけるもっとも大きな決断のひとつであり、大きな喜びに満ちた瞬間です。
しかし、その一方で、ふと胸をよぎる現実的な不安はありませんか?
「パートナーの収入が低いけれど、結婚生活は成り立つだろうか…」
「貯金がほとんどないみたいだけど、将来設計は大丈夫?」
「愛している気持ちに嘘はない。でも、お金のことで喧嘩ばかりする未来は怖い…」
「愛さえあれば、お金なんて関係ない」
この言葉はとても美しく、そう信じたい気持ちは誰にでもあるものです。たしかに、結婚生活の基盤となるのは、お互いを思いやる愛情や信頼関係に違いありません。
ですが、結婚は日々の「生活」の連続です。家賃の支払い、食費、光熱費、スマートフォンの通信費…。子どもが生まれれば、さらに大きなお金が必要になります。病気やケガ、突然の失業など、予期せぬトラブルが起こらないとも限りません。
そんなとき、きれいごとだけでは乗り越えられない厳しい現実に直面するのが、お金の問題です。最初はささいな価値観のズレだったものが、いつしか大きな溝となり、愛していたはずのパートナーとの関係にまで亀裂を入れてしまうことは、決して珍しい話ではないのです。
お金のない結婚で後悔しないために、特に以下の内容について掘り下げていきます。
- お金が原因で結婚を後悔した人たちのリアルな体験談
- 逆にお金がなくても、知恵と工夫で幸せな家庭を築いている夫婦の秘訣
- 後悔する夫婦と幸せな夫婦、その「分岐点」はどこにあるのか
ほかにも結婚前にパートナーと絶対に話し合っておくべきことなど、多くのカップルが直面する現実と、それを乗り越えるための具体的な方法を、多角的な視点から徹底的に解説していきます。
お金は、結婚生活における「すべて」ではありませんが、二人の幸せな未来を守り、選択肢を広げるための大切な「土台」です。
お金のない結婚が招いた悲惨な体験談5選

「二人で力を合わせれば、どんな困難も乗り越えられるはず」と信じてスタートした結婚生活。しかし、日々の暮らしの中で「お金がない」という現実は、じわじわと、そして確実に二人の心を蝕んでいくことがあります。
愛情だけでは乗り越えるのが難しかった、リアルな後悔の体験談を5つのパターンに分けて見ていきましょう。決して他人事ではない、誰の身にも起こる可能性があります。
「ごめん、今月も足りない…」終わらない金策と罪悪感
給料日まであと1週間。しかし、銀行口座の残高は底をつき、次のクレジットカードの支払いをどう乗り切るか頭を抱える日々。本来、もっとも安らげるはずの家庭が、お金の話をするたびに重たい空気に包まれてしまう。
「ごめん、今月も少しだけ貸してくれないかな…」
「次のボーナスで必ず返すから…」
パートナーに頭を下げるたびに募る罪悪感と、自分の不甲斐なさ。共働きで必死に頑張っているのに、なぜ一向に暮らしは楽にならないのか。
毎月の支払いに追われる生活は、精神的な余裕を容赦なく奪っていきます。将来のための貯蓄どころか、目の前の生活を維持することで精一杯。そんな終わりの見えない状況は、二人の未来に対する希望さえも少しずつ消していくのです。
友達の結婚式や旅行も断るしかない…みじめさが募る人間関係
友人から届く、結婚式の招待状。同僚たちに誘われる、週末のレジャーや旅行。本来であれば心から喜び、楽しみたいはずのイベントも、経済的な余裕がないと素直に受け取れなくなります。
「お祝いしたい気持ちは本当にあるのに、ご祝儀と交通費を考えると厳しい…」
「みんなに気を使わせてしまうから、今回はやめておこう…」
何度も断っているうちに、次第に誘われること自体が少なくなり、社会から取り残されていくような孤独感とみじめさに襲われます。スマートフォンの画面に流れてくる友人たちの楽しそうな姿を見ては、自分の現状と比べてしまい、胸が苦しくなる。
お金がないことは、大切な友人や仲間とのつながりさえも希薄にし、二人の世界を狭く窮屈なものに変えてしまうことがあるのです。
子どもの「やりたい」を諦めさせる…教育格差という名の残酷な現実
もし子どもが生まれたら、これ以上ないほどの愛情を注ぎ、子どもの可能性を最大限に引き出してあげたいと願うのは親として当然の気持ちですが、その願いの前に「お金」という壁が立ちはだかります。
「パパ、みんなみたいにピアノを習いたい!」
「この塾に行けば、行きたい学校に合格できるかもしれない」
子どもの純粋な瞳と「やりたい」という願いに対して、「ごめんね、うちにはそんなお金はないんだ」と告げなければいけない時の胸の痛みは、想像を絶します。
他の家庭の子どもたちがさまざまな経験を通して成長していく中で、自分の子どもだけがチャンスを与えられない。経済的な理由が「教育格差」という残酷な現実につながり、子どもの将来の選択肢を狭めてしまう。
その事実に直面した時、「なぜ、この人と結婚してしまったのだろう」という後悔が、深く胸に突き刺さるのです。
病気や失業で生活破綻へ…心も体も休まらない綱渡りの日々
貯蓄に余裕がない生活は、まるでセーフティネットなしで綱渡りをしているようなものです。普段はなんとか渡りきれていても、少しでもバランスを崩せば、真っ逆さまに落下してしまいます。その「バランスを崩すきっかけ」となるのが、病気やケガ、そして突然の失業です。
「少し熱があるけど、病院に行ったら数千円かかるから我慢しよう」
「会社が倒産したら、来月の家賃が払えない…」
常に「もしも」の不安が頭から離れず、心も体も休まるときがありません。経済的な基盤が脆弱であるということは、こうした不測の事態に対する抵抗力がまったくないということ。一つのトラブルが、あっという間に生活破綻へと直結してしまうのです。
この絶え間ない緊張感は、やがて心身の健康をも蝕んでいきます。
お金が原因でパートナーを責めてしまう自己嫌悪
経済的な困窮が続くと、人は冷静な判断力を失っていきます。そして、矛先はもっとも身近な存在であるパートナーへと向かいがちです。
「あなたがもっと稼いでいてくれたら、こんな思いをしなくて済んだのに」
「あなたの金銭感覚のせいで、私たちの生活はめちゃくちゃだ」
愛しているはずの相手に、決して言ってはいけない言葉をぶつけてしまう。そして、そんな自分に激しい自己嫌悪を覚える。お金がすべての元凶となり、かつて育んだ愛情や尊敬の念さえも覆い隠してしまいます。
お互いを傷つけ合い、ふと我に返った時に「どうしてこうなってしまったんだろう」「あの時、もし別の選択をしていれば…」と考えてしまう瞬間。これこそが、お金がもたらすもっとも悲しい結末と言えるでしょう。
データで見る不都合な真実!お金と結婚のシビアな関係

個人の体験談は結婚生活のリアルな一面を映し出しますが、より客観的な視点を持つことで、感情論だけでは見過ごしがちなお金と結婚の普遍的な関係性が明らかになります。
公的なデータと専門家の見地から、夫婦とお金のシビアな現実を解説しましょう。
離婚原因のトップは「性格の不一致」だが、その根底にあるのは経済問題
裁判所が公表する司法統計年報を見ると、離婚調停の申し立て動機として、男女ともに長年トップに挙げられているのは「性格が合わない(性格の不一致)」です。
この結果だけを見ると、お金は離婚の直接的な原因ではないように思えるかもしれませんが、多くの夫婦問題カウンセラーや弁護士は、「性格の不一致」という言葉の裏には、経済的な問題が深く潜んでいるケースが非常に多いと指摘しています。
なぜなら、「お金に対する価値観」こそが、「性格」のもっとも重要な構成要素のひとつだからです。
例えば、以下のような状況は、すべて「性格の不一致」として片付けられてしまう可能性があります。
- お金の使い方での対立:一方は趣味や交際費にお金をかけたい、もう一方は将来のために節約したい。この対立は、金銭感覚のズレであり、性格の不一致と認識されます。
- 将来への不安感のズレ:パートナーの収入が不安定なことや、貯蓄に無関心な態度に対して、もう一方が強いストレスを感じる。これも、危機管理能力や将来設計における性格の不一致といえます。
- 心の余裕の喪失:経済的な余裕のなさは、精神的な余裕を奪います。その結果、パートナーのささいな言動にイライラしたり、思いやりのない言葉をぶつけてしまったりします。これもまた、関係が悪化すれば「性格の不一致」という結論に至ります。
つまり、表面的な離婚理由は「性格の不一致」であっても、その根本的な引き金として「経済的な価値観の相違」や「金銭的なストレス」が存在するケースは、決して少なくないのです。
FPが警鐘!最低限必要な「世帯年収」のボーダーラインとは?
では結婚生活を安定的に送るためには、具体的にどのくらいの収入が必要なのか。この問いに対し、多くのファイナンシャルプランナー(FP)は、生活スタイルや地域によって変動するものの、ひとつの目安となる「ボーダーライン」を提示しています。
夫婦二人が最低限の生活を維持するための世帯年収の目安は「400万円」といわれることが多くあります。
これは、都市部で暮らす場合の家賃や食費、水道光熱費、通信費といった基本的な生活費に加え、国民年金や健康保険料などの社会保険料、税金を支払った上で、ごくわずかながらも将来への備え(貯蓄や保険)を考慮に入れた、きわめて現実的な数字です。
もし、子どもを持つことを考えるのであれば、このボーダーラインはさらに上がります。子育てには、食費や衣料費だけでなく、おむつ代、医療費、そして将来の教育費がかかるため、子ども1人につき世帯年収でプラス100万円~150万円の余裕が求められるのが一般的です。
ただし、もっとも重要な点を忘れてはなりません。この数字はあくまで一般的な目安です。FPが本当に重要視しているのは、年収の絶対額そのものではなく、「収入の範囲内で計画的に生活を設計し、実行できる家計管理能力」です。
高年収であっても浪費癖があれば家計は破綻しますし、たとえ年収がボーダーライン以下であっても、夫婦が協力して収支を管理し、計画的に貯蓄ができているのであれば、安定した生活を送ることは十分に可能です。
したがって、問われるべきは「いくら稼いでいるか」だけではなく、「お金とどう向き合い、二人で管理していけるか」という点にあります。
後悔する夫婦 vs 幸せな夫婦!その決定的な違いはどこにある?

同じ「お金がない」というスタートラインに立ちながら、一方は後悔の道を歩み、もう一方は幸せな家庭を築く。その運命を分けるのは、学歴や才能、あるいは運といったものではありません。
決定的な違いは、「お金という問題への向き合い方」と「夫婦の協力体制」にあります。
両者の特徴を3つの観点から比較し、その本質的な違いを解き明かしていきましょう。
「なんとかなる」は危険信号!問題から目を背けるカップルの末路
後悔する夫婦に共通して見られるのは、お金の問題に対する「現実逃避」の姿勢です。
彼らは、お金の話が持つ特有の気まずさや面倒さから、具体的な話し合いを意図的に避ける傾向にあります。「愛があれば大丈夫」「そのうちなんとかなるだろう」といった根拠のない楽観論にすがり、具体的な計画を立てることから目を背けるのです。
家計管理も、どちらか一方に任せきりにしたり、お互いに「相手が管理してくれているはず」と思い込んだりするなど、責任の所在が極めて曖昧です。
この状態は、いわば時限爆弾を抱えているようなもの。失業、病気、冠婚葬祭の急な出費といった予期せぬ事態が発生した際、何の備えもないため、あっという間に行き詰まります。
そこで初めてパートナーの借金や、貯蓄がまったくない事実を知り、「こんなはずではなかった」と信頼関係が根底から崩壊していくのです。「なんとかなる」という言葉は、未来への希望ではなく、思考停止の危険信号にほかなりません。
「ふたりで乗り越える」覚悟と具体的な計画を持つカップルの強さ
一方で、幸せな夫婦は、お金を「二人で管理し、乗り越えるべき共通の課題」として捉えています。
彼らはまず、結婚前後の早い段階で、お互いの収入、支出、貯蓄、そして借金といった情報をすべて開示し、「家計の透明性」を確保します。これは、問題を直視し、同じスタートラインに立つための、もっとも重要な儀式です。
その上で、「5年で300万円貯めて海外旅行に行く」「子どもの大学進学までに学費を準備する」など、ポジティブで具体的な「共通目標」を設定します。この目標が、日々の節約や仕事へのモチベーションとなり、二人を同じ方向へと導く羅針盤の役割を果たします。
家計管理は、どちらか一方の責任ではなく「共同プロジェクト」です。家計簿アプリで情報を共有し、定期的に「作戦会議」を開いて進捗を確認し、計画を修正していく。このプロセスそのものが、夫婦間のコミュニケーションを深め、連帯感を育みます。苦しい時期も「二人で戦っている」という意識が、愛情をより強固なものへと変えていくのです。
お金に対する価値観は合ってる?「金銭感覚」の一致が幸福度を左右する
協力体制と並んで決定的に重要なのが、根本的な「金銭感覚」のすり合わせです。金銭感覚とは、単に「倹約家か、浪費家か」ということだけではありません。例えば以下のようなものがあります。
- 消費の優先順位:何に価値を感じ、お金をかけたいか(食事、趣味、旅行、自己投資など)。
- 時間軸の捉え方:「今」の楽しみと「将来」の安心、どちらを重視するか。
- リスク許容度:借金や投資に対する考え方。
これらの感覚が大きくズレていると、日々のささいな意思決定(外食の頻度、買い物、子どもの習い事など)のたびに、小さなストレスが蓄積していきます。このストレスは、関係性を静かに、しかし確実に蝕んでいく要因となります。
幸せな夫婦は、この金銭感覚が完全に一致しているわけではありません。大切なのは、お互いの価値観の違いを理解し、尊重し、そして二人なりの「妥協点」や「ルール」を見つけ出していることです。
例えば、「毎月のおこづかいの範囲内なら、何に使っても干渉しない」「大きな買い物をするときは、必ず二人で話し合う」といったルールを設けることで、無用な衝突を避けています。年収の額面以上に、この金銭感覚の調和が、長期的な結婚生活の幸福度を大きく左右する鍵となるのです。
結婚前に絶対確認!後悔しないためのパートナー見極めチェックリスト

愛情は結婚の土台ですが、それだけで安定した家を建てることはできません。結婚は、ロマンチックな関係であると同時に、「生活を共同で経営するパートナーシップ」でもあります。
感情的にならずに、お互いの未来を冷静に見つめるために、以下のチェックリストを活用してみましょう。これは相手を詰問するためのものではなく、二人で幸せな未来を築くための「対話のきっかけ」です。
借金や奨学金の有無を正直に話せるか?
結婚後の家計に直接影響を与えるもっとも重要な項目です。奨学金も返済義務のある「負債」であるという認識を共有することが不可欠です。
- 見るべきポイント:借金の有無やその金額、返済状況について、ごまかしたり隠したりすることなく正直に話してくれるか。なぜその借金ができたのか、経緯を誠実に説明できるか。
- なぜ重要か:問題は、借金があるという事実そのものではありません。それ以上に、金銭的な不利益となりうる情報を隠さずに共有し、二人で解決していこうとする「誠実さ」があるかどうかが、信頼関係の基盤となります。
具体的な将来設計(子育て、マイホーム等)を一緒に考えられるか?
「いつか子どもが欲しいね」「いつか家も建てたいね」といった漠然とした夢物語だけでは、現実は動きません。将来のライフプランは、必要となるお金の額を具体化するために不可欠です。
- 見るべきポイント:「子どもを持つなら何歳頃?」「住むならどのエリアで、予算はいくら?」といった、より踏み込んだ話し合いに応じられるか。その夢を実現するために、今から何をすべきか(貯蓄、働き方など)を逆算して考えようとする姿勢があるか。
- なぜ重要か:夢を語るだけでなく、それを叶えるための現実的な「計画」にまで落とし込んで対話できるかどうかは、単なる恋人から「人生の共同経営者」になれるかどうかの試金石です。
収入が途絶えた時のリスクヘッジを話し合えるか?
人生100年時代、病気やケガ、会社の倒産、家族の介護など、予期せぬ形で収入が減少・途絶するリスクは誰にでもあります。
- 見るべきポイント:「もしも自分が働けなくなったら…」といったネガティブな話題を避けずに、真剣に話し合えるか。貯蓄や保険、公的支援の活用など、具体的なリスク対策について一緒に検討しようとするか。
- なぜ重要か:リスクに対する向き合い方には、その人の責任感が表れます。根拠のない楽観論に逃げず、最悪の事態を想定し、二人で備えようとする姿勢は、困難な状況を乗り越える上で不可欠な要素です。
お互いのキャリアプランを尊重し、協力できるか?
共働きが当たり前となった現代において、お互いの仕事は家計を支える柱であり、自己実現の場でもあります。
- 見るべきポイント:パートナーの仕事内容やキャリアの目標に関心を持ち、応援する姿勢があるか。将来の転勤、転職、独立といった変化の可能性について、柔軟に話し合えるか。出産や育児といったライフイベントに際し、どちらか一方に負担を強いるのではなく、どう協力して乗り越えるかを考えられるか。
- なぜ重要か:長い結婚生活では、お互いの働き方も変化していきます。その変化を「リスク」ではなく「チャンス」と捉え、お互いを「チームメイト」として支え合える関係性を築けるかどうかは、世帯収入の安定と個人の幸福の両面において極めて重要です。
お金がなくても幸せな結婚を叶える!今日からできる3つのステップ

お金との向き合い方が結婚生活の幸福度を左右することを解説してきましたが、「頭ではわかっていても、何から手をつければいいのかわからない」と感じる人もいるしれません。大切なのは、いきなり大きなことを成し遂げるのではなく、二人で一緒に小さな一歩を踏み出すことです。
誰でも今日から始められる、家計改善のための具体的な3つのステップをご紹介していきましょう。
【ステップ①】まずは現状を「見える化」!家計簿アプリで収支を把握する
すべての改善は、正確な現状把握から始まります。これは、家計における「健康診断」のようなものです。どこに問題があるのかを知らなければ、効果的な対策は打てません。
【具体的な方法】
まずは、最低でも1ヶ月間、二人のお金の流れを記録してみましょう。手書きのノートでも構いませんが、手間なく継続するためには、銀行口座やクレジットカードと連携できる「家計簿アプリ」の活用がおすすめです。
【チェックポイント】
1ヶ月後、二人でそのデータを見てください。「何に」「いくら」使っているのかが一目瞭然になります。「思っていたより食費がかさんでいるね」「このサブスク、実は使っていないかも」といった「気づき」を得ることが、このステップの最大の目的です。根拠のない不安が、具体的な「課題」に変わる瞬間です。
ステップ②:「共通の貯金目標」を設定し、ゲーム感覚で楽しむ工夫を
家計の現状を把握したら、次に行き先、つまり「目標」を設定します。ただやみくもに「節約しよう」と頑張るだけでは、心が疲弊してしまい長続きしません。
【具体的な方法】
「1年後に記念日旅行へ行くために20万円貯める」「将来のマイホームの頭金として、毎月5万円ずつ貯金する」など、二人にとってワクワクするような、具体的でポジティブな目標を立てましょう。
【楽しむ工夫】
目標を紙に書いて壁に貼り、達成度に応じて色を塗っていく「目標達成シート」を作ったり、毎月の目標額をクリアしたら「二人で好きなケーキを食べる」といったささやかなご褒美デーを設けたりするのも効果的です。節約を「我慢」ではなく、共通の目標を達成するための「協力型ゲーム」と捉え直すことで、二人の絆はより一層深まります。
ステップ③:専門家の力を借りる。無料のFP相談や公的支援制度を活用しよう
二人だけで抱え込む必要はありません。現代では、お金に関するさまざまなサポートを、専門家や公的機関から受けることができます。これらを賢く利用することは、家計を効率的に改善するための重要なスキルと言えるでしょう。
具体的な方法は以下のとおりです。
- 無料FP相談を活用する:多くの金融機関や保険代理店では、ファイナンシャルプランナー(FP)による無料相談を実施しています。家計の見直し、保険の選定、資産形成の初歩など、プロの視点から客観的なアドバイスをもらうことで、自分たちでは気づかなかった改善点が見つかります。
- 公的支援制度を調べる:国や自治体には、新婚世帯向けの家賃補助や、子育て支援の給付金など、申請しないと受けられないさまざまな支援制度が存在します。まずは、お住まいの市区町村のウェブサイトを二人でチェックしてみましょう。
お金の問題は、時に夫婦間の感情的な対立を生みやすいテーマです。客観的な第三者である専門家や、公平なルールである公的制度を上手に活用することで、無用な衝突を避け、建設的な解決策を見つけやすくなります。
まとめ
愛を選んでお金のない結婚をした結果、不幸な結末を迎えてしまった夫婦は決して少なくありません。
統計では性格の不一致がもっとも多い離婚原因になっていますが、これは建前であることがほとんどで、実際には金銭的な問題が引き金となっているケースが多々あります。
ただ、世の中には山奥で自給自足で生活する幸せな夫婦もいるため、必ずしも「お金がない=不幸」というわけではありませんが、どんな状況であってもお金はあるに越したことはありません。
結婚前で不安になっている人も、これから婚活を考えている人も、パートナーと一緒に金銭感覚や将来設計を今一度考えてみましょう。