家族や友人、恋人からお金を借りても、まったく返さない人の心理を徹底解説します。
一体彼らは何を考えているのか。最悪の場合、借りたまま行方がわからなくなる人もいます。
「すぐにでも貸したお金を返してほしい」「借金を繰り返して1円も返さない人間を懲らしめる方法はないか」なんて思っている人は、その具体的な方法も解説するので、参考にしてみてください。
その怒りと絶望感は決しておかしいことではない
信じていた相手に裏切られた激しい怒り。お金が返ってこないことへの焦りと不安。そして、人を信じてしまった自分を責めるやるせない気持ち。
善意で貸したお金が返ってこない現実は、単なる金銭的な損失以上に、人の心を深く傷つけます。相手の無責任な態度に振り回され、眠れない夜を過ごしたり、人間不信に陥ったりしている方も少なくないでしょう。
まず、何よりも先に知ってほしいのは、そのように複雑で強い負の感情を抱くのは決しておかしいことではありません。約束を守るという社会における基本的なルールを一方的に破られているので、怒りや失望を感じるのは至極当然の反応です。
この記事では、そのような苦しい状況に置かれた方々のために、問題の全体像を冷静に、そして徹底的に解き明かしていきます。
主に以下のポイントを詳しく解説していきましょう。
- なぜ相手は平気で約束を破れるのか、その特有の心理構造
- 感情的な報復ではなく、正当な権利として「懲らしめる」ための具体的な法的手段
- そのような行動を続ける人々の最終的な末路
この問題は、一人で抱え込み感情的に対応してもうまくはいきません。相手の心理を理解し、正しい知識を持って冷静に行動すること。それが自身の心と資産を守り、この理不尽な状況から抜け出すための唯一の道筋となるのです。
【心理分析】なぜ彼らは平気で約束を破るのか？4つの歪んだ思考回路
お金を返さないという行動の裏には、常識的な感覚では理解しがたい、特有の心理メカニズムが働いています。相手の思考回路を理解することは感情的な消耗を避け、冷静な対策を立てるための第一歩となります。
その代表的な4つの心理状態を分析していきましょう。
罪悪感の欠如：相手のお金を「自分のもの」と錯覚している
一部の人々は、他者への共感性が著しく低いという特性を持っています。彼らにとって、一度自分の手元に入ったお金は、もはや「借りたもの」ではなく「自分の資産」の一部として認識されます。
お金を貸した側の生活がどうなるか、どれだけ困っているかといった点に想像が及ばないため、返済しないことに対する罪悪感がそもそも生まれません。
約束は、自分に都合が悪くなれば破って当然のものと捉えています。
極端な楽観主義：「いつか返せる」という根拠のない自信
悪意があるわけではなく、単純に物事の見通しが極端に甘いタイプも存在します。「来月には大きな収入があるはず」「宝くじが当たれば返せる」といった、何の根拠もない楽観的な未来を信じ込んでいます。
彼らにとって、返済の約束は嘘ではなく、本心から「いつか返すつもり」なのです。
しかし、その「いつか」を実現するための具体的な計画性や実行能力が伴わないため、結果として約束は永遠に果たされません。
被害者意識：「自分は困っているのだから助けられて当然」という甘え
このタイプは、自分自身を「かわいそうな被害者」と位置づけ、他人からの助けを当然の権利と考えます。お金を借りる際も、「自分はこれだけ大変な状況なのだから、裕福な人が助けるべきだ」という歪んだ論理を持っています。
そのため、返済を求められると「こんなに困っている自分をさらに追い詰めるのか」と逆上し、感謝するどころか貸した側を「冷酷な人間」として非難することさえあります。
関係性のテスト：あなたを「どこまで許してくれるか試す」マウンティング行為
親しい友人や恋人といった、近しい関係性において見られるケースです。お金を借りて返さないという行為を通じて、相手が自分をどれだけ受け入れてくれるか、その愛情や寛容さの限界を試しているのです。
お金を返すことは、この従属的な関係性を終わらせることを意味します。返済を先延ばしにすることで相手を自分に縛りつけ、優位な立場に立ち続けようとする、無意識の支配欲が隠れている場合があります。
【タイプ別】お金を返さない人の危険度診断
お金を返さないと一括りに言っても、その背景にある悪意の有無や常習性はさまざまです。相手のタイプを見極めることは、今後の対応方針を決める上で非常に重要です。
その危険度に応じて3つのタイプに分類し、それぞれの特徴と対処の方向性を示します。
善意だが計画性ゼロの「ルーズタイプ」
このタイプは、返済する意思や相手への感謝の気持ちは持っていますが、根本的に金銭管理能力や計画性に欠けています。給料が入ると他の支出を優先してしまい、返済分が残らないといった事態を繰り返します。
悪意がないため、強く催促すれば「ごめん、忘れてた！」と謝罪し、少額であればその場で返してくれることもあります。
しかし、根本的なルーズさは変わらないため、完済までの道のりは長くなりがちです。
嘘を重ねて逃げ回る「常習犯タイプ」
返済を求められると、「急な出費があって」「給料日が遅れている」など、その場しのぎの嘘を重ねて逃げ回るのがこのタイプです。
彼らの目的は、返済そのものを回避することにあり、貸した側が催促に疲れて諦めるのを待っています。複数の人物から借金を繰り返している可能性も高く、言葉巧みに同情を引こうとしたり、時には逆ギレして相手を怯ませようとしたりすることもあります。
このタイプは、単なる話し合いでの解決は極めて困難になります。
初めから返す気がない「確信犯・詐欺師タイプ」
もっとも危険度が高いのが、お金を借りる時点でそもそも返すつもりがまったくないタイプです。
彼らにとってお金を借りる行為は「だまし取る」ことと同義です。同情を引くための身の上話や、大きな利益をうたった投資話などを巧みに作り上げ、相手の善意や欲に付け込みます。お金を手にした途端に連絡が取れなくなったり、開き直って「借りた覚えはない」と言い出したりすることさえあります。
この場合、民事上の貸金トラブルだけでなく、刑事上の詐詐罪に該当する可能性も出てきます。
【法的手段】感情的になる前に「懲らしめる」ための正しい手順
相手への怒りや焦りから、感情的な行動に走りたくなる気持ちは理解できますが、法的な知識なく行動することは、状況を悪化させる可能性があります。最悪の場合、ご自身が法を犯す側になりかねません。
ここで解説する「懲らしめる」とは、感情的な報復ではなく、法に則って正当な権利を行使し、相手に社会的・法的な責任を取らせることを意味します。そのための、冷静かつ効果的な手順を解説していきましょう。
大前提：やってはいけないNG行動！脅迫や過度な取り立ては犯罪に
まず、絶対に守らなければならない一線があります。以下に挙げる行為は、目的が正当な債権回収であっても、脅迫罪や名誉毀損罪、業務妨害罪といった犯罪に該当する可能性があります。
- 深夜や早朝といった社会通念上不適切な時間帯の訪問や電話。
- 正当な理由なく、相手の職場や実家に連絡し、借金の事実を告げること。
- SNSなど第三者が見られる場所で、相手の氏名や借金の事実を公表すること。
- 「返さないと大変なことになるぞ」といった、相手を畏怖させる言動。
これらの行為に及んでしまうと、被害者であったはずの立場が、一転して加害者となってしまうリスクがあることを覚えておきましょう。
ステップ①「証拠の保全」：借用書やメール、LINEのやり取りをすべて保存する
法的な手続きを進める上で、もっとも重要になるのが「お金を貸した」という客観的な証拠です。口約束だけであっても契約は成立しますが、証拠がなければそれを証明することは困難です。
- 借用書や契約書：もっとも強力な証拠なので、必ず原本を保管します。
- メールやSNSのメッセージ：「お金を貸してほしい」「〇日までに返す」といった相手とのやり取りは、スクリーンショットなどで保存します。
- 銀行の振込記録：相手の口座へ振り込んだ事実がわかる取引明細は、確たる証拠となります。
これらの証拠は今後のいかなる手続きにおいても、自身の主張を裏付けるための生命線となります。
ステップ②「内容証明郵便」：心理的プレッシャーと法的手続きの第一歩
話し合いでの解決が望めないと判断した場合、次の有効な手段が「内容証明郵便」の送付です。これは、「いつどのような内容の文書を誰から誰に差し出したか」を日本郵便が証明する制度です。
この文書には、貸した金額や返済期限、そして「期限内に返済がない場合は法的措置を講じる」という意思を簡潔かつ明確に記載します。
内容証明郵便が届くことで、相手は「これは本気だ」という強い心理的プレッシャーを感じ、返済に応じるケースが少なくありません。
また、法的には返済を請求したという確実な証拠となり、債権の時効の完成を一時的に猶予させる効果もあります。
ステップ③「支払督促・少額訴訟」：弁護士なしでも可能な最終手段
内容証明郵便を送っても返済がない場合、いよいよ裁判所を介した手続きを検討します。個人でも比較的利用しやすい制度として、「支払督促」と「少額訴訟」があります。
- 支払督促：書類審査のみで、裁判所が相手に支払いを命じてくれる制度です。相手が異議を申し立てなければ、強制執行（給与や財産の差し押さえ）が可能になります。
- 少額訴訟：60万円以下の金銭トラブルを対象とした、原則1回の期日で審理と判決が終わる簡易的な裁判です。手続きが比較的簡単で費用も安く抑えられます。
これらの法的手続きは、相手に責任を取らせるためのもっとも強力かつ正当な「懲らしめる」方法と言えるでしょう。
【因果応報】お金を返さない人が最終的にたどる3つの末路
お金を返さないという不誠実な行為を続ける人々は、目先の利益と引き換えに、長期的にはるかに大きなものを失っていきます。これは単なる精神論ではなく、社会の仕組みと人間関係の原則に基づいた、きわめて現実的な帰結です。
彼らが最終的にたどる可能性が高い、代表的な3つの末路を解説します。
「社会的信用の完全な失墜」：友人や家族、職場などすべてを失う
信用とは、人間関係におけるもっとも重要な基盤です。お金の約束を破るという行為は、この信用を根底から破壊します。
最初は一人の友人を失うだけかもしれませんが、その噂は必ず周囲に伝わり、やがてほかの友人や同僚、そして最終的には肉親からも「信頼できない人間」というレッテルを貼られ、誰も手を差し伸べてくれなくなります。
人が生きていく上で不可欠な、温かな人間関係というセーフティネットを自らの手で完全に断ち切ってしまうのです。
お金の貸し借りが友達との縁の切れ目？体験談やトラブルを徹底解説
「終わらない金銭トラブル」：より高利な借金に手を出し自己破産へ
身近な人々からお金を借りられなくなった彼らは、次に消費者金融やクレジットカードのキャッシングなど、より金利の高い借金に手を出すようになります。
しかし、根本的な金銭感覚や計画性が改善されていないため、返済はすぐに行き詰まり、借金を返すために別の場所から借金をする多重債務の状態に陥ります。
この負のスパイラルは、最終的に自己破産という形で一度リセットされるか、あるいは法外な金利を要求する違法な金融業者にまで手を出し、破滅的な状況へと進んでいきます。
「法的な制裁と孤独」：訴訟に差し押さえ、そして誰も信じられなくなる人生
貸した側が法的な手続きに踏み切った場合、彼らは法的な制裁を受けることになります。裁判所からの支払督促や少額訴訟の判決を無視し続ければ、最終的には給与や預金口座、財産の「差し押さえ」という強制執行が行われます
法によって強制的に資産を奪われるという経験は、彼らの心に深いダメージを与えるでしょう。
そして、法的に関係が清算された後には、修復不可能な人間関係の断絶と、誰のことも信じることができない深い孤独だけが残されるのです。
二度とカモにされないために！お金の貸し借りで守るべき鉄則
一度でもお金の貸し借りで辛い経験をすると、他人からのお金の要求に対して過剰な恐怖や不信感を抱くようになることがあります。
しかし、今後の人間関係を円滑に保ちながら、自分自身の心と資産を毅然と守るためには、感情論ではない明確なルールを持つことが重要です。
上手な断り方：「相手も自分も傷つけない」魔法のフレーズ
親しい友人や家族からお金を貸してほしいと頼まれた際、それを断ることは非常に勇気がいる行為です。前述したように、安易に応じることが結果として相手との関係を破壊する可能性もあります。
まずはその場で即答せず、一度持ち帰る姿勢を見せつつ、以下のようなフレーズで、相手への配慮を示しながらも、きっぱりと断ることが有効です。
- 「ごめん、身内や友人でもお金の貸し借りはしていないんだ。」
これは相手の人格や理由を問うのではなく、あくまで自分自身の「ルール」や「信条」を理由にする方法です。相手を否定しないため、角が立ちにくい断り方といえます。 - 「力になりたい気持ちは山々だけど、自分にも貸せる余裕がないんだ。」
相手の状況に共感を示しつつ、物理的に不可能であると伝えます。貸せる、貸せないという議論の土俵に上がらないため、相手もそれ以上踏み込みにくくなります。
それでも貸す場合に必須の「借用書」の書き方と注意点
原則として、個人間のお金の貸し借りは避けるべきですが、どうしても断れない事情がある場合は、「そのお金は、もう返ってこなくても良い」と覚悟できる金額を上限にすることが大前提です。
その上で、たとえ相手が誰であっても、また、どんなに少額であっても、必ず「借用書」を作成しましょう。これは万が一のトラブルの際に自分を守るための最低限の防衛策です。
借用書には、少なくとも以下の項目を明確に記載する必要があります。
- 表題：「借用書」または「金銭消費貸借契約書」
- 貸した金額：改ざん防止のため、「金壱萬円也」のように大字（だいじ）で書くのが望ましい。
- 貸した日付：実際に金銭を交付した年月日。
- 返済期日：「令和〇年〇月〇日限り」など、具体的な年月日。
- 返済方法：「貸主名義の〇〇銀行口座に振り込む」など具体的に記載。
- 利息・遅延損害金：無利息の場合でも「利息は無利息とする」と明記。
- 貸主と借主の氏名・住所：双方が自署し、押印する。
この書面を交わすという行為自体が、相手に「これは正式な借金である」という責任感を抱かせる効果も期待できます。
お金の貸し借りは「関係性」の貸し借り！自分の心と資産を守る決断を
この記事を通じて明らかになったように、個人間のお金の貸し借りは、単なる金融取引ではありません。それは、貸す側の「信頼」と借りる側の「誠実さ」を交換する、きわめて繊細な「関係性」そのものの貸し借りです。
お金が約束通りに返済されないとき、失われるのは資産だけではありません。相手を信じた自分の心や共に過ごした時間、そして二人の間にあったはずの信頼関係、そのすべてが深く傷つけられます。
相手の心理を理解し、法的な手段を知り、そして将来の予防策を学ぶこと。これらはすべて、この複雑に絡み合った問題を解決し、自分自身を守るための重要な知識ですが、最終的に状況を動かすのは、知識を得た上でどう行動するかという「決断」にほかなりません。
その決断とは、相手に対して正当な権利を主張し、法的な責任を問うことかもしれません。あるいは、失ったお金よりも、これ以上心を消耗しないことを選び、人間関係に終止符を打つことかもしれません。どちらの道を選ぶにせよ、それは感情的な報復ではなく、自分自身の尊厳と穏やかな未来を取り戻すための勇気ある一歩です。
お金は人生を豊かにするための道具ですが、人間関係を破壊する凶器にもなり得ます。この痛みを伴う経験を、今後の人生で二度と繰り返さないための教訓とし、自身の心と資産を守り抜く強い意志を持つことが何よりも重要なのです。
